不動産査定の、資産価値と使用価値
こんにちは。
不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。
本記事は不動産の査定をするにあたって重要となる、不動産の『使用価値』と、その重要性について詳しく解説していきます。
不動産の査定には、「資産価値」と、「使用価値」を併用
不動産の価値と言うと、ずばり、「資産価値」なのですが、実はもう一つ重要な指標があります。
それは、「使用価値」というものです。
不動産の査定価格は、この「資産価値」と、「使用価値」の二種類で決定されていくこととなります。
資産価値というのは皆様も思いつくかと思いますが、土地の坪単価から計算した土地金額であったり、建物の経過年数から減価償却された建物金額であったりと、具体的な数字で表せるものとなります。
一方で、聞きなれない使用価値とは、一体どのようなものでしょうか。
使用価値とは、住宅を使用する方にとって価値があるかどうか、という、容易に金額で計れないものとなります。
例えばここに、福山駅徒歩5分の立地条件で、50㎡の2LDK新築マンションがあったとします。
駅近で新築マンションとなれば、資産価値は非常に高く、単身や少人数世帯の方にはサイズ感も丁度良いため、実際に住む価値(使用価値)もきっと高いはずです。
しかし、5~6人世帯のファミリーの場合、50㎡マンションに住み続けるには狭いため、使用価値は低くなり、そもそも検討物件の範囲に入らないでしょう。
このように使用価値とは、使用する方によって、価値が高くなったり低くなったりするものです。
不動産の使用価値と「ペルソナ」
この使用価値が不動産査定にどのように関係があるかというと、その不動産を誰に向けて販売するのかという、「ペルソナ」の設定の上でとても大切です。
「ペルソナ」とは、実際に不動産を購入して居住するお客様だと思ってください。
先の50㎡2LDK新築マンションを例にとると、購入するであろうお客様は、お子さんのいない新婚ご夫婦とか、女性の一人暮らしとか、30代前半の働く女性であることが予想できます。
ペルソナが設定できると、その人たちの消費傾向や、興味のある事柄などをこと細かく想定できるようになり、広告手段や媒体、魅力を高めるキャッチコピー、最も重要な販売価格の設定など、大樹が幹から枝を広げるように想像を膨らませることができます。
(※あくまでも一例を簡略化したものであり、実際のマーケティングの現場では非常に多岐にわたる検討材料があります。)
中古マンションや中古住宅に関しても、ペルソナを設定した上で売り出し価格や販売スケジュールを決定したほうが、希望通りの価格で売却できるケースが多くあるため、まずは不動産の使用価値と、ペルソナを見極めることが重要です。
不動産査定の価値方程式
以上のことを踏まえて、私は不動産査定の際には、次のような価値方程式を持って臨んでいます。
資産価値×使用価値=不動産相場
資産価値はそのまま不動産の机上計算をした数字が入るのですが、使用価値は90%~110%の範囲で掛け率が設定されています。
使用価値を考えた上で、不動産を求める人数が少ない(需要が少ない)場合、当然、資産価値よりも金額が低くなってしまうことがあり得ます。
時々、使用価値を考えず資産価値のみで査定を行い、非常に高額な金額を提示する不動産会社があります。
一見するとこんなにも高く売れるのかと期待してしまいますが、そこはいったん落ち着いて、使用価値も同時に検討されているのかどうか、査定担当者に質問をしてみてもよいでしょう。
そこで明確な答えが返ってくるかどうかで、査定額の根拠の信用性を確認することができるかと思います。
ちなみに、当社の不動産査定は、「不動産相場」と、「売り出し価格」との二種類に分けてご提案をしています。
なぜなら、売り出し価格は売主様で自由に設定することが可能だからです。
当社は「不動産相場」に「付加価値」を足して、お客様への売り出し価格をご提案しています。
付加価値はペルソナが設定されているからこそ、具体的な金額としてご提案ができるものです。
不動産相場+付加価値(当社の売却ノウハウ)=売り出しご提案価格
この売却ノウハウにより、不動産相場より数百万円高額で売却した例もあります。
一体どのようなノウハウなのかというのは、過去記事でも簡単に触れていますので、記事最後の関連URLからご参照してみてくださいませ。
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いかがだったでしょうか。
本記事では不動産の資産価値と使用価値について詳しく解説しました。
資産価値が低いから売れないわけでもなく、資産価値が高いから売れるというわけでもありません。
大切なことは、誰に対してどのように売るか、という「使用価値」と「ペルソナ」の見極めです。
当社にはそのノウハウが蓄積されており、さらに当社独自の不動産流通データベースを基として、付加価値を加えた売り出し価格をご提案しております。
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