中古マンションを半年以内に売るべき"2つ"の理由
こんにちは。
不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。
中古マンションを売却したご経験のある方は良くご存じかもしれませんが、物件を販売した時に、必ずしも希望通りの満額で売れるわけではありません。
例えば2,480万円でマンションを売りに出した時、内覧されたお客様から80万円値下げの2,400万円で購入希望申し込みがあった、という方もいらっしゃるかと思います。
また、お知り合いの方や各種メディアで聞いた話によって、売却時には値下げ幅が必要だとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回の記事では、実際の取引成約事例を基として、中古マンションが結局どれくらいの値下げ幅で売れているのか分析し、望ましい売却方法について当社からのご提案をしてみたいと思います。
使用するデータは、西日本不動産流通機構及びポータルサイトに登録されている中古マンションの成約事例と、当社にて集計した販売履歴を照らし合わせています。
(※集計期間:福山市内で2021年11月~2022年10月までの1年間で成約した中古マンション)
全体の平均値下げ額は『約104万円』
まず、私の予想から申し上げると、販売期間が長くなるほど、値下げ金額が大きくなるのではないかと予想しました。
なぜなら、中古マンションは売り出し当初の3カ月が一番お客様や不動産会社の注目を集め、お問い合わせを獲得しやすいからです。
3カ月を超えて半年、さらには1年となると、金額を下げながら成約へと結びつけるのが一般的だと思います。
実際の流通の現場では一体どうなっているのでしょうか。
こちらのグラフをご覧ください。
こちらのグラフは横軸が販売期間、縦軸は値下げ金額の大きさを表しています。
グラフが右に行くほどに、縦軸のグラフが大きくなっています。
これは私の予想通り、販売期間が経過するほど、値下げ金額が大きくなっている傾向を示す証拠です。
次に、売り出し開始から1カ月経過するごとの値下げ金額と、成約件数を表にまとめてみました。
経過期間 |
平均値下げ 金額 |
成約件数 |
1カ月目 | 64.50万円 | 10件 |
2カ月目 | 43.82万円 | 17件 |
3カ月目 | 73.75万円 | 8件 |
4カ月目 | 117.09万円 | 11件 |
5カ月目 | 51.43万円 | 7件 |
6カ月目 (半年) |
111.67万円 | 6件 |
7カ月目 | 143.33万円 | 6件 |
8カ月目 | 163.33万円 | 3件 |
9カ月目 | 315.00万円 | 2件 |
10カ月目 | 225.00万円 | 2件 |
11カ月目 | 該当なし | 該当なし |
12カ月目 (1年) |
117.50万円 | 4件 |
13カ月以上 | 340.00万円 | 3件 |
合計 | 79件 |
全体の平均値下げ金額ですが、当初売り出し価格より約104万円の値下げで成約しています。
また、成約するまでの平均成約期間は、約133日(約4.43カ月)となりました。
今後、中古マンションを売却していくうえでの、一つの基準と考えることができるのではないでしょうか。
『売り出し半年』を超えると、値下げ額が倍以上に増大
ところで、もう一つ、注目したいデータを読み取ることができました。
それは売り出し開始から半年経過するまでに、全体79件の内、59件が成約しているという実績です。
これはつまり、半年以内に約74%、4件に3件が成約をしていることとなります。
そして、この半年という期間を境目として、値下げ金額の幅が大きく異なることもわかりました。
成約期間を半年以内と、7カ月目~1年以内とに分けると、値下げ金額がなんと約100万円も変わってきます。
(倍率で見ると、2.34倍にもなります)
経過期間 | 平均値下げ金額 |
半年以内 | 72.85万円 |
7カ月以上~1年以内 | 170.59万円 |
仮に、減額を最初から見込んでいたとしても、そもそもマンションには固定費がかかるため、期間がかかればかかるほど、実質的な支出は増え続けます。
毎月の管理費、修繕積立金、そして駐車場代を合計すると毎月3万円以上支出をしている方もいらっしゃいます。
固定資産税を含め1年間で50万円近く支出していた場合、170万円の値下げプラス50万円の支出で、実質220万円の減額と言えます。
売主様によっては今後の生活に影響を及ぼしかねない、大幅な金銭的負担です。
つまり、中古マンションを半年以内に売るべき理由は次の2つです。
1.売買金額の値下げ圧力を抑制。
2.固定費に支出する経費の節約。
ご提案:売り切り価格と販売スケジュールは"最初"に決定
以上のデータと、私のこれまでの経験を踏まえて述べると、中古マンションの売却は、1年がかりというような長期戦は不向きであるという結論に達します。
そもそも、売り出しから1年も経過すると、売主様の状況や社会情勢が大きく変わることもあり、果たして1年後に売れるのかどうかさえ怪しいでしょう。
(特に、ここ2年間は先が全く見通せない時期がありましたよね)
できれば、先のデータである半年以内という期間を目安として、慎重な売出価格の設定をしていくのが望ましいと考えています。
そのため、当社からできる提案としては、周辺取引相場を基に売り切り価格と、販売スケジュールを最初に決定をして、そこに当社の売却ノウハウ(付加価値)を加味して、売り出し価格を設定することをお勧めしております。
長々と書いたうえで割と平凡な提案で恐縮ですが、この売り出し価格の設定が最重要ポイントであることは言うまでもありません。
間違っても、「高く売り出せば勝手に高く売れるだろう」という安易な考えになることなく、データと理論で戦略的に販売していくことが肝要です。
当社ではそのお手伝いができますので、ご興味持たれた方はぜひ一度、当社の売却コンシェルジュサービスをご利用してみてくださいませ。
皆様からのご連絡をお待ちしております。
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