中古マンションの建築年数と、価格の関係
こんにちは。
不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。
今回の記事では、これまでに集計した中古マンションの成約価格を基に、築年数と成約価格の関係についてみていきたいと思います。
マンションであっても一戸建てであっても、「築年数が新しいほうが価格も高いだろう」、というのは皆様も感覚的にお判りいただけることと思います。
両者の大きな違いは、マンションは土地の敷地面積による影響が少なく、建物の築年数による影響が大きく出る点にあります。
もちろんマンションにも土地の所有権はあるのですが、一つの大きな敷地を30~50世帯前後(場合によっては100世帯以上)で共有するため、1世帯当たりに割り当てられている敷地面積は非常に小さくなります。
世帯の合計床面積で按分するため、割合は何十万分の何千という、非常に小さな割合です。
固定資産税の課税額も、そのほとんどを建物部分が占めています。
土地の影響が少ない分、中古マンションの成約価格は築年数による影響を大きく受けることとなります。
鉄筋コンクリート造のマンションは法定耐用年数は47年(※)と長く、減価償却が緩やかな一方で、古くなればなるほど価格が下がる、という面もあります。
(※)この47年はあくまでも税務上のものであり、実際に居住可能な年数ではありません。
具体的なデータに入る前に、中古マンションの販売価格は次の計算式で求めることが可能です。
壁芯専有面積(㎡)×面積単価(○万円/㎡)=販売価格(万円)
こちらの「面積単価」が、築年数などによって決定されると思ってください。
専有面積72㎡で、面積単価20万円/㎡ならば、販売価格は1,440万円、という感じです。
土地の場合で考えると、「坪単価は○万円」という坪単価が、「面積単価」に当たるとイメージしやすいと思います。
面積単価はマンションの専有面積の広い狭いに左右されず、価格を比較しやすくなるため、この数字に注目してデータ集計しております。
それではこちらのプロット図をご覧ください。
過去2年間(2021年1月~2022年12月15日現在)で、福山市内で成約した中古マンションの面積単価を、それぞれの築年数にてプロットしたものとなっております。
グラフの右に行くほど築年数が新しく、上に行くほど面積単価が高いということとなります。
年代によりばらつきはあるのですが、築年数と成約単価には密な相関関係がありそうですね。
このデータから、建築年数を5年毎に区切り、成約単価を平均化したものが次のグラフとなります。
建築後20年未満までは比較的緩やかな減少率ですが、20年以上から減少率が大きくなっています。
建築時期としては2022年12月時点において、2002年末に建築されたマンションとなりますね。
面白いのが、30~35年未満の成約単価が上がるのですが、この年代は福山市中心部の中古マンションが多く、成約単価を押し上げているのが要因の一つのようです。
(注:今回のデータは過去2年間分となるため、今後データがさらに蓄積されていくと変動していくと思われます。)
ここまでの結論
以上の集計データから、築年数と成約単価の間には密接な関係があることが明らかとなりました。
また、建築後20年未満の中古マンションは、価格の下落率が緩やかである可能性も見えてきました。
しかし、先にも述べましたが、集計期間が2年間と短期間であり、この2年間はコロナ禍の影響を大きく受けている期間です。
これから先、中古マンションの流通件数が回復し、成約事例のさらなる蓄積が進むことで、より実態を反映させることができる他、年代別のトレンドも掴めるのではないかと考えています。
引き続き、中古マンション市場の観察と分析を進めていきます。
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関連テーマ①「データで見る不動産」
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中古マンションの取引は、販売の仕方によっても成約単価が大きく異なるのが現実です。
周辺取引事例から相場観を掴むことはできますが、実際に販売する場合にはそれなりの販売戦略が大切となってきます。
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