不動産業は次代に繋ぐ、「恩送り」

この度、多くの方のご支援をいただきまして、無事に不動産業を開業することができました。

改めて、この場を借りて、お礼申し上げます。

 

私が不動産業界、というよりも、街づくりというものに興味を持ったのは、大学生時代にさかのぼります。

当時私はスポーツや文化による地域振興活動に熱心に取り組んでおり、多くの団体、企業、行政と関わることがありました。

中でもとりわけ注目を浴びていたのが、旧広島市民球場跡地の利活用議論です。

旧広島市民球場はご存じの通り、広島市民にとっての復興の象徴であり、地元振興の原動力となってきたものです。

広島県内では連日その動向がメディアにより報道され、広島市外の方でも、あぁ、そういえばそんな話があったな・・・と、

思い出される方もいるのではないでしょうか。

その跡地活用委員なるものに、私は当時、学生委員の一メンバーとして参画していました。

学生であるがゆえに大きなことはできませんでしたが、しかし、ある特定の「土地」から多くの人と人との交流が生まれ、

ストーリーが編み出され、様々な人たちの活力の源となっていく現象を体験する、きっかけであったように思います。

 

現在、私は当時のような大きな公共事業に携わる機会は少ないのですが、規模の大小こそあれど、

不動産のすべてに固有のストーリーがあり、人と人との交流があり、すべての人の活力の源となっていることは間違いないと考えています。

生活をしていれば、笑いもあるでしょう。

驚きもあるでしょう。

中には、辛いことや、悲しいこともあるかもしれません。

それらを優しく包んでくれているのが、不動産であり、それを取り巻く、私たち地域の市民です。

かけがえのない、人生の記憶が、唯一無二の不動産から生み出されている、私はそのように感じています。

 

私は土地や住宅を仲介する経験から、一つ確信したことがあります。

それは、不動産売買は私たちの次の世代、子や孫、さらにその子孫に対する「恩送り」だということです。

先祖代々、脈々と、多くの人々に活用されてきた土地、そして建物を、私はその次の世代へとバトンタッチする役割を担っています。

大げさに言えば、営々と築き上げられてきた人類文化を、より発展させ、潤していくのが、私たちに課せられた使命です。

私が今この場にいられるのも、きっと誰かから恩を授かったからであります。

そしてその恩は、目の前の方に、さらにその先の方に、譲り渡していきたいと考えています。

 

不動産業に出会えてよかったと、私は心から感じています。

新しい出会いと感動がこれから始まると思うと、非常にワクワクしております。

小さな舟ではありますが、皆様方の愛と恩をたくさん授かり、大海原へと今、漕ぎ出しました。

水辺まで連れてきていただいたのは、すべて、皆様のおかげです。

これからは私自身がオールをしっかりとにぎり、漕ぎ進める番です。

 

どうぞ、末永くよろしくお願い申し上げます。

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