当社のお仕事 売却編① ~媒介契約からレインズ登録まで~
こんにちは。
不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。
当社は一般のお客様から土地や建物といった売却物件を募集して、それを購入者様にお届けするお仕事をしております。
いわゆる街の不動産屋さんなのですが、売却物件を募集して販売する、というこの部分がどのような業務なのか、
ご存じない方がほとんどではないでしょうか。
それもそのはずで、不動産の売却に際しては「媒介契約」「不動産流通機構(レインズ)」「買付証明」
「分かれ」「元付業者」・・・など、業界用語が多数存在し、一つずつを理解して業務内容の全体を捉えることは、
一般のお客様からするととてもハードルの高いことだからです。
そこで今回は、当社が実際に売却のご依頼を受けた時(媒介契約を結ぶと言います)に、実務的に何を行っているのか
ということを簡単ではありますが、ご説明させていただきます。
これから売却のお考えのお客様の他、もしくは、不動産屋さんで働いてみたいと思われている方にも読んでいただけると幸いです。
(別の機会で、売却物件をどのように募集するのか、というテーマでもブログを作りたいと思います)
まず、全体の流れとしては次の通りとなっています。
1.物件調査
2.物件資料の作成
3.レインズへの登録
4.写真の撮影
5.広告の開始
順番にご説明していきます。まずは「物件調査」からです。
1.物件調査
物件調査の最大の肝は、売却をする土地上に再び住宅が建築できるかどうか、という点です。
皆様も建築基準法というものは聞いたことがあるかもしれませんが、土地上に住宅を建てるためには
一定の条件がありまして、代表的なものが、幅員4m以上の道路に、土地が2m接面していること、というものです。
もちろんそのほかにも細かい条件はありますが、最低レベルでこちらを満たしているかどうかを、
現地にてメジャーをあてたり、福山市役所 土木管理課でもらった道路台帳を見たりしながら調査します。
当然、家が建てられない土地というのは資産的に大きなマイナスとなることは、皆様もご想像できることだと思います。
そのほか、埋設物(代表的なものが水道管)の有無や、越境物の確認を行いまして、
それら調査内容を基として、「物件資料の作成」をしていきます。
2.物件資料の作成
不動産会社さんの店頭で、このイメージ図のようなチラシをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
こちらの物件資料は当社で取り扱いしている、貸店舗の物件資料となっております。
賃貸ではありますが、売買物件も同じような形で「売土地」であったり、「中古戸建」であったりと作成されています。
地域によってはマイソクということもあるようですが、福山市内では物件資料という呼び名でおおむね統一されています。
この資料には物件の金額や敷地面積などはもちろん、先ほど調査した再建築ができるかどうかという細かな情報が記載されています。
画像内にもありますが、多くの場合、「備考」と記されたところに重要なポイントが記載されていることもありますので、
皆様も目にする機会があればぜひ、「備考」欄の小さな文字に注目してみてみてください。
(本当にびっくりするような、思いもよらぬことが書いてあることもあります。)
不動産屋さんはこの資料を基にお客様にご説明をしたり、次の「レインズ」というものに登録をしたりします。
3.レインズへの登録
物件資料を基に登録をするのが、レインズです。
レインズというものは「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の
それぞれの頭文字をとったもので、「REINS=レインズ」と略されます。
私がお客様に説明の際によく使う表現は、「不動産屋さん専用のスーモみたいなものです。」と言っています。
ちょっと乱暴な表現ではありますが、(私の中では)的を射ていると思っています。
もう少し具体的にお伝えすると、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している
コンピューターネットワークシステム(広島県は西日本不動産流通機構が所管)に不動産情報を登録し、
不動産会社間で情報を流通させ、一般のお客様のもとへと不動産情報を普及させようとする仕組みです。
実務上、広島県にはスマイミーというものがありまして、こちらに登録をすることで、
レインズへも登録される仕組みになっています。
このレインズへの登録は専任媒介契約、専属専任媒介契約で不動産会社さんの義務として法律上取り決められております。
これは「囲い込み」を防ぎ、売主様の利益逸失を防ごうとする目的があります。
(社会的に問題の多い囲い込みについては、別の機会でお話しします。)
さて、ここまでの流れは媒介契約を締結して1週間(専属専任媒介契約の場合は5日以内)で行います。
業務が立て込んでいるとバタバタと忙しくなるのですが、私自身、この物件調査からレインズ登録までの作業を
ロールプレイングゲームのクエストをクリアしていくような感覚でやっていますので、とても楽しんでやっています。
ここまではあくまで法律上定められていることでありますので、おおむねどこの不動産屋さんでも行っている普通のことです。
次回は、当社が特に力を入れているサービスに焦点を当てて、続きを書いていこうと思います。