2023年・福山市不動産市況(中古戸建)
こんにちは。
不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。
2023年は全国的に、前年を上回るような地価上昇がみられ、身近な物価も連日ニュースで取り上げられるほど上昇する1年でした。
この地価と物価上昇は不動産取引件数や成約価格に大きな影響を与えました。
このブログでは、2023年福山市の不動産市況について、特に中古戸建の新規流通件数、成約価格、成約件数の3つの指標に注目して、動向を見ていきたいと思います。
なお、使用するデータは、西日本不動産流通機構に登録されたものをベースとして、当社にて集計、分析したものとなっております。
中古戸建の新規流通件数
まず、中古戸建の新規流通件数について見ていきましょう。
新規流通件数とは、売りに出された中古戸建の数のことで、市場の活性度を示す指標の一つです。
2023年の福山市の中古戸建の新規流通件数は、1月1日から12月25日までの集計で、790件となっています。
これは、2022年の671件と比較すると、約17.7%の増加となっています。
以下の図表に、過去5年間の新規流通件数の推移を示します。
※2019年は推計
図表からわかるように、福山市の中古戸建の新規流通件数は、2019年から2021年にかけて減少傾向にありましたが、2022年から回復傾向に転じ、2023年には過去最高の水準に達しました。
この背景には、以下のような要因が考えられます。
- 新型コロナウイルスの行動制限緩和に伴う反動増があること。
- 近年の地価上昇に伴い売却検討者が増加したこと。
- 来年の相続登記の義務化を見据え、空き家の整理を行う人が増加したこと。
以上のように、中古戸建の新規流通件数は活発な状態であると言えます。
成約価格
次に、中古戸建の成約価格について見ていきましょう。
成約価格とは、実際に売買契約が成立したときの価格のことで、市場の価格水準を示す指標の一つです。
2023年の福山市の中古戸建の成約価格の平均は、1704.33万円となっています。
これは、2022年の1766.36万円と比較すると、約3.5%の減少となっています。
以下の図表に、過去5年間の成約価格の推移を示します。
図表からわかるように、福山市の中古戸建の成約価格は、2020年に急激に落ち込みましたが、2021年に回復に転じ、2022年から過去最高の水準を維持しています。
この背景には、以下のような要因が考えられます。
- 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動が低迷し、所得や消費意欲が低下したこと。
- 2022年以降、地価上昇や物価上昇の影響により、売出価格が上昇したこと。
- 住宅ローンの変動金利が低下し、借り入れコストが低減したこと。
以上のように、中古戸建の成約価格は一時落ち込みましたが、需要と供給のバランスが回復するとともに上昇し、現在は高水準を維持しつつも緩やかな調整局面にあると言えます。
成約件数
最後に、中古戸建の成約件数について見ていきましょう。
成約件数とは、実際に売買契約が成立した中古戸建の数のことで、市場の需要の実態を示す指標の一つです。
2023年の福山市の中古戸建の成約件数は、1月1日から12月25日までの集計で、106件となっています。
これは、2022年の77件と比較すると、約37.7%の増加です。
以下の図表に、過去5年間の成約件数の推移を示します。
※成約登録されている不動産情報のみの集計のため、実際の数値はこれよりも多いです。
図表からわかるように、福山市の中古戸建の成約件数は、2019年から2021年にかけて減少傾向にありましたが、2022年からコロナ前水準にまで回復し、2023年には過去最高の水準に達しました。
この背景には、以下のような要因が考えられます。
- 新規流通件数の増加により、購入者の選択肢が広がり、希望に合った物件が見つかりやすくなったこと。
- 行動制限の緩和により、これまでの反動増が見られること。
- 物価上昇に伴う建築コストの上昇で、新築希望層が中古住宅にシフトしていること。
以上のように、中古戸建の成約件数は過去最高水準を維持していることから、福山市の不動産市場は活発であると言えます。
まとめ
今回のブログでは2023年の福山市不動産市況について、中古戸建に着目して分析してみました。
その結果、以下のような点が明らかになりました。
- 中古戸建の新規流通件数は、前年比約17.7%の増加となり、過去最高の水準に達した。
これは、新型コロナウイルスの行動制限の緩和や地価上昇による売却検討者の増加、相続登記義務化を見据えた動きなどが背景にあると考えられる。
- 中古戸建の成約価格は、前年比約3.5%の減少となるものの、過去最高の水準を維持している。
これは、地価の上昇に伴う売出価格の上昇や住宅ローン金利の低下が影響していると考えられる。
- 中古戸建の成約件数は、前年比約37.7%の増加となり、過去最高の水準に達した。
これは、新規流通件数の増加や行動制限の緩和による反動増、新築コスト上昇による新築購入検討層から移行してくる層の増加などが考えられる。
※成約件数は視覚的に分かりやすくなるように数値を5倍してあります。
以上のように、2023年の福山市不動産市況は、新規流通件数の増加と成約価格の上昇が見られ、成約件数も堅調に推移していることから、総合的に市場の活性度の高い1年であったと言えます。
一方で、感覚的には今年の11月頃から市場の動きが停滞していること、反動増による揺り戻しが予想されることを考慮すると、この傾向は一時的なものであるとも考えられます。
果たして2024年はどのような市況となっていくでしょうか。
今後の不動産市況の動向に注目していきたいと思います。
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