2030年、福山市のマンションは4割が老朽化?
こんにちは。
不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。
先日、マンション建て替えに関するニュースが取り上げられていましたので、
福山市の老朽化マンションについて考えてみようと思います。
まず、老朽マンションというのはおおむね築後30年~40年以上経過する分譲マンションを指します。
しかしこれには明確な定義がありませんので、当社では次の通り規定させていただきます。
築30年~39年までのマンションを、「老朽化マンション」
築40年以上のマンションを、「超老朽化マンション」
それでは早速こちらのグラフをご覧ください。
こちらのグラフは私がインターネット情報を基として、福山市内の分譲マンションを1年ごとに販売された
「新規供給数」と、累積供給数の「ストック数」をExcelに手打ちで集計したものです。
※手打ちのため、多少のズレはご容赦ください。
左軸が毎年の新規販売数(=新規供給数)、右軸が累積供給戸数(=ストック数)となっています。
2023年と2024年の数字は本ブログ執筆時点(2022年9月6日)で、各社より発表されている分譲予定数(総戸数)を参照しました。
(※非分譲区画も含めています。)
2024年には福山駅前の大型プロジェクトとなるアルファゲートタワーが竣工し、
総ストック数が大台の10000戸を突破する予想です。
集計結果から、毎年の戸数増加率は2010年から2022年までで、平均2%強で増加していることがわかりました。
もしも、この先も年2%の増加を維持していると、2030年まででどのようになるか、予想したものが下のグラフです。
2030年には総ストック数が11400戸強となります。
ここで、最初の老朽化マンションの話題に戻します。
当社では便宜上、築30年~39年までのマンションを老朽化マンション、
40年以上を超老朽化マンションとして、今後の老朽化マンションと超老朽マンションのストック数をグラフ化しました。
先ほどの2030年までの予想グラフと照らしあわせると、このようになっています。
ちょっと色合いが悪く、見にくくて申し訳ないのですが、マンションの建て替えが全く進まないと仮定すると、
2030年には老朽化マンションと超老朽化マンションの合計ストック数が4200戸を超え、
老朽化率が合わせて37%を超える状況となります。
実に、福山市内の4割もの分譲マンションが老朽化しているという事態です。
最初に書いたマンション建て替えに関するニュースというものは、権利者の建て替え同意数を緩和するものです。
しかしマンションの建て替えはまだまだ日本では実績が少なく、8年後の2030年に福山市内のマンションが
建て替えられている事例が出るかどうか、私は個人的に、期待値は低いと考えています。
一般的に老朽化マンションでは、次のようなことが起こると考えられます。
1.所有者の高齢化などにより空き部屋が増え、結果的に修繕積立金が集まらず、設備の修繕が行われない。
2.修繕が行われないことにより外壁の剥離や落下物によって、周辺への被害が発生する。
3.最終的にはスラム化し、各種犯罪の拠点化や、災害発生時に倒壊することによる二次被害が発生し、
地域の社会問題となる。
あくまでも一部の例ではありますが、様々な問題が発生することが考えられ、現に同様の事例をニュースで見聞きします。
大規模マンションであるほどに、建て替えにかかる意見調整は困難となり、将来世代にとって問題を作ってしまう可能性があるでしょう。
私たち不動産仲介業者も、私達の責任で何ができるかということを真剣に考える必要があるかもしれません。
次回以降では全国の取り組みをピックアップし、ここ福山市においてもできることがないかと考えてみようと思います。