媒介契約の違いが成約の日数と価格に与える影響

こんにちは。

不動産売却のコンシェルジュ、杉野です。

 

今回は不動産売却の「専任媒介契約(以下、専任)」と「一般媒介契約(以下、一般)」の違いが、成約にどのような影響を与えているのか調査した記事となっております。

広く、インターネット上で「専任」と「一般」のどちらが良いか調べたときに、専任の方が営業担当者が一生懸命頑張ってくれることが多く早期に成約する、という記事や評判を見かけることがあります。

なぜかと言うと、不動産流通の仕組み上、専任は売主様からの仲介手数料を確保できるため広告費や労力をたくさん使えるから、というのが定説です。

本稿では不動産販売開始から成約に至るまでの日数と、販売当初の売出価格からどれくらい値下げされて成約したのか(値下げ率)について数字で集計し、「専任」と「一般」の違いについて私なりにまとめてみました。

成約日数は専任が「22.57日」早い

集計データは福山市内の中古住宅で、2021年12月16日から2023年3月17日時点までに、レインズやスマイミー、アットホームといった不動産流通システムへと登録された成約事例を基としております。

リフォーム済み物件や賃貸中の収益物件は、今回の集計対象としておりません。

 

以下の表が集計データとなります。

専任 一般
件数 92 32
成約価格 1475.49 1859.57
成約時築年数 31.2 28.3
成約日数 212.40 234.97

 

表の一番下が、それぞれの成約日数を平均化したデータとなります。

単純計算すると、専任の方が、一般よりも、「22.57日」早く成約していることとなります。

やはり、専任の方が営業担当者が一生懸命販売に力を入れてくれたおかげで、早期成約となりやすいのでしょうか?

成約価格は安くなるかも

もう一つ、値下げ率についてはどうでしょうか。

 

専任 一般
値下げ額 154 239
値下げ率 12.40%

10.60%

 

ご覧の通り、「専任」の方が、「一般」よりも当初からの値下げ率が「1.8ポイント」高くなっております。

つまり、当初売り出し価格が一緒なら、「一般」よりも安くなるということです。

わずかな違いと思われるかもしれませんが、仮に不動産価格が2000万円なら36万円、2500万円なら45万円の違いとなります。

この差は案外大きいです。

しかし、なぜこのようなこととなるのでしょうか。

専任が安くなる理由とは?

データが示す通り、確かに専任の方が早期に成約するらしいことが分かりました。

また、一般よりも安くなるらしいということも分かりました。

一体なぜこういうことになるのでしょうか?

 

これは私の推察となりますが、「専任」には2週間に1回の業務処理報告(※)の義務があります。

(※)広告をいつ実施したのか、問い合わせがどれくらいあったのかを、不動産会社から売主様に報告することです。

(言い方は悪いのですが)不人気不動産の場合には「この2週間は問い合わせ有りませんでした」という報告を何回も何回もすることとなります。

売主様自身「問合せが無ければ価格を下げようか」と思ったり、不動産会社から「価格を下げましょう」という提案に繋がったりすることは多いと思います。

 

対して「一般」には業務処理報告の義務がありません。

売主様は不動産がどのように販売されているのか、問い合わせが有るのか無いのかすらわかりません。

問い合わせ状況が分からなければ適切な値下げのタイミングもわからず、ズルズルと当初の販売価格を維持してしまう可能性があります。

不動産会社としても、仲介手数料を約束されていない分、広告費や労力を半減している場合もあり得ます。

(これは不動産流通業界の不都合な真実です)

結果的に、一般では値下げ率が低くなり、成約時期も遅くなっているのかもしれません。

まとめ

以上をまとめると、次の通りとなります。

 

専任媒介契約

1.販売状況をしっかり把握し、適切な値下げが行われる。

2.適切な値下げの結果、早期の売却に繋がる。

一般媒介契約

1.販売状況が分からず、値下げの提案が無い。

2.値下げが行われないため、販売時期を見失い、販売期間が長期化する。

※値下げしないため、まれに高額売却できることもあり。

 

あくまでも一例のため、全てがこうなるわけではありません。

しかし、データと傾向が分かっていれば、どのような売却をしたいのか、イメージを膨らませることもできるかと思います。

これから不動産売却を検討してみようと思われている方がおられましたら、参考にしてみてください。

 

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今回使用したデータは全て、「成約した」データを基としております。

そのため、現在販売中の不動産データについては一切触れておりません。

もしも、販売中不動産のデータを集計してみたら、内容が大きく変わるかもしれませんが、1点1点自分の目で見て確認していく姿を想像すると・・・

気が遠くなりそうで、手が付けられません。

こういう時こそビッグデータを解析するAIが役に立ちそうだなと思いながら、本記事を書きました。

 

本記事を読んでご興味を持っていただけましたら、ぜひ一度、当社の売却査定サービスをご利用になってみてください。

お客様のご期待に、不動産売却のコンシェルジュ杉野が、人間愛をもってお応えします。

皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。

 

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