5分間に1戸が「空き家」となる日本社会
投稿日:2024.05.18
こんにちは。
宅建マイスターの杉野です。
空き家問題は日本全国で深刻な社会課題となっています。
2023年の調査によれば、日本全国の空き家戸数は約900万戸に達し、前回の2018年調査から約51万戸増加しています。
国内の総住宅数に占める空き家の割合は13.8%となり、過去最多を更新したというニュース(※)は記憶に新しいです。
単純計算で、約5分に1戸のペースで空き家が増えていることとなります。
※2024年5月1日付 日本経済新聞より
空き家の中でも、特に問題とされているのが「その他空き家」と分類される住宅です。
その他空き家とは、別荘などの一時使用や賃貸、売却にもされていない住宅を指し、いわば放置された空き家です。
「その他空き家」は年々増加しており、全国平均では約385万戸(総住宅数に占める割合は5.9%)とこちらも過去最多となりました。
広島県の2023年の総住宅数が1,464,000戸であることから、その2.5倍の戸数が活用されないまま放置されていると考えると、非常に膨大な量に感じます。
調査年 | 総住宅数 |
空き家数 (率) |
その他 空き家数 (率) |
2023年 |
65,021,000戸 |
8,995,000戸 (13.8%) |
3,853,000戸 (5.9%) |
2018年 |
62,407,600戸 |
8,488,600 (13.6%) |
3,487,200戸 (5.6%) |
福山市の現状と将来推計
2018年調査によると、総住宅数は217,050戸で、空き家数は30,110戸(空き家率13.9%)、その他空き家は13,470戸(6.2%)です。
福山市の2023年統計は2024年9月頃に公表される予定です。
調査年 | 総住宅数 |
空き家数 (率) |
その他 空き家数 (率) |
2018年 |
217,050戸 |
30,110戸 (13.9%) |
13,470戸 (6.2%) |
2013年 |
207,320戸 |
28,600戸 (13.8%) |
12,090戸 (5.8%) |
2008年 |
199,510戸 |
27,970戸 (14.0%) |
9,170戸 (4.6%) |
2030年には日本全国の世帯数がピークを迎えて減少に転じ、空き家の急増が予測されています。
福山市の「その他空き家」も2030年には21,240戸、2040年には29,560戸に増加する予測です。
これは2040年には、2018年から約2.2倍に増加し、段階的に増加戸数が加速していくことを意味します。
2018年 | 2030年 | 2040年 | |
その他 空き家数 |
13,470戸 | 21,240戸 | 29,560戸 |
出典:NHKみんなでプラス「日本の空き家問題を考える 2040年 空き家数全国予測マップ」
https://www.nhk.or.jp/minplus/0145/topic001.html
対策は空き家になってから「3年」以内
福山市の実施したアンケート調査によると、建設時期が1981年以前の空き家の割合は全体の7割を占めており、空き家となって3年以上経過するものが8割を超えていることがわかりました。
空き家期間の長期化は老朽化の進行を速め、空き家の資産価値を下げてしまいかねません。
比較的管理状態が良好なうちから対策を行い、適正価格での売却や賃貸を目指すことが望まれます。
出典:福山市ホームページ「空家等の対策について」【第2期福山市空家等対策計画】
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/jutaku/82084.html
各制度からも、相続発生から「3年」以内の対策が望ましいと考えられます。
2024年4月から義務化された相続登記は、相続発生から「3年」以内です。
また、空き家を売却した際の税優遇措置も、相続発生から「3年」目の年末までに売却するという期限があります。
空き家の所有期間をむやみに長期化させないために、「3年」以内の対処を検討しましょう。
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空き家の対策は今この瞬間から行うべきです。
不動産を相続した際には早い段階で専門家である不動産会社に相談されることをお勧めします。
当社は膨大な不動産データベースによる適正な不動産評価と、豊富な売却ノウハウから早期売却を強みとしておりますので、相続不動産を所有の方はぜひ一度ご相談ください。
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皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。
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